お知らせ
病気のお話 ① 肝機能異常とは、どの検査データをみて指摘するのですか?
2017年01月18日
健診などで肝機能異常を指摘され精査が必要となった患者さまへ:
一言に肝機能異常といいましても肝機能を示す指標はいろいろとあります。
肝機能には今現在肝臓の細胞が障害を受けている程度を表す指標(AST, ALT , γ-GTP, ALPなど)と、肝臓の予備能力を表す指標(アルブミン、ビリルビンなど)や肝臓の硬さを表す指標(血小板、Ⅳ型コラーゲン・7Sなど)があります。
AST(GOT)は、肝臓のほか心筋、骨格筋、赤血球などの細胞が壊れると異常高値を示しますが、ALT(GPT)は主に肝細胞が壊れたときに異常高値を示します。従って肝細胞壊死以外の状態、すなわち心筋梗塞で心筋壊死をおこしたり、激しい運動で筋肉が壊れたり、採血時の物理的刺激で赤血球が壊れたりしたときには、ALTは上昇せずにASTのみが上昇します。このため、通常はALTの値に着眼しASTの値を参考にしつつ今現在の肝細胞の壊れ具合を判断します。そして、このALTの値を複数点で計測し上昇傾向にあるのか下降傾向にあるのかをみて、さらなる精査を急ぐかどうかを決定します。
つづく