お知らせ
病気のお話 ③ 脂肪肝の治療は、ダイエットのほかに薬物治療も効果があります
2017年03月20日
健診で脂肪肝を指摘されて医療機関を受診した際に、とにかく体重を減らせば良くなりますと医者に言われて困ったことはないでしょうか?
仕事が中心の世代の人たちは、運動をする時間を確保する余裕がなく、また酒席の仕事が頻繁にあることが多く、なかなか体重を落とすことができません。ダイエットが良いことはわかっているが、それができない状況にある人たちはたくさんいます。
しかし、このように猛烈に働いている人たちが今の日本を支えているのです。
私はこの現役世代の健康を守ることも使命だと思っています。
脂肪肝の患者は後の糖尿病の予備軍ですが、糖尿病が発症するまでにはしばらく時間がかかるので仕事ができてしまいます。
今のハードワークを続けながら、将来糖尿病や肝がんにならないよう今の段階から脂肪肝を治療する方法はないのでしょうか?
現在脂肪肝の治療はダイエットの他に、様々な薬物治療があります。
ビタミンEは抗酸化作用があり約8割の脂肪肝の患者さんで有効です。
また、肝臓から脂肪を排出させる薬や、体から糖を尿の中へ排出させる薬も劇的な効果があります。
脂肪肝の約1-2割に肝硬変にまで至っている患者さんが存在し、この場合年率約3%の発癌率があり、結果的に肝臓で亡くなることが稀ではありません。
健診で脂肪肝を指摘された場合には、脂肪肝の程度を調べ、自分にあった薬物治療をみつけるために当院への受診をおすすめします。